飲食店をやるなら、どれだけ「尖れるか」が大事だなと思います。
なんでもできるお店は、それなりに便利だし、お客さんも来るかもしれません。
でも、結局のところ「どこにでもあるお店」になってしまうと、お客さんにとって「このお店じゃなきゃダメ」という理由がなくなってしまいます。
一方で、ちょっと極端なくらいに尖っているお店は、代わりがないからこそ、強く記憶に残ります。例えば、ラーメンでも「二郎系専門店」や「煮干しラーメン専門店」など、こだわりが明確なお店ほど、コアなファンがついていますよね。
だからこそ、自分のお店も「尖る」ことを意識しました。
たとえば、蕎麦もうどんも作れるけど、あえて「ひやむぎ」に特化する。
そうすることで、「ひやむぎならここ」と思ってもらえるし、「ひやむぎ専門店なんて珍しい!どんな味なんだろう?」と興味を持ってもらいやすくなります。
世の中には、讃岐うどんの専門店や、老舗の蕎麦屋はたくさんあります。でも、ひやむぎ専門店はほとんどありません。
だからこそ、そこにチャンスがあるんじゃないかと考えました。
とはいえ、ニッチすぎると不安になる
とはいえ、いくら「尖るのが大事」と言っても、ニッチすぎると「お客さん、本当に来るの?」という不安が出てきますよね。
特に、ひやむぎは「夏に食べるもの」というイメージが強いので、冬でも売れるのか? リピーターはつくのか? など、考えれば考えるほど心配になりました。
ニッチなことをやるときに一番怖いのは、「そもそも市場が存在しない」パターンです。どれだけ自分が「これはいける!」と思っても、お客さんが求めていなければ成立しません。
じゃあ、どうすればいいのか?
答えはシンプルで、「まずは検証する」こと。
まずは「小さく始める」
いきなり店舗を構えて、内装に何百万もかけるのはリスクが大きすぎます。
だから、まずはお試しで店を出してみることにしました。
いきなり本格的にオープンするのではなく、短期間のポップアップショップのような形で、「ひやむぎだけでお客さんが来るのか?」を確かめたんです。
結果として、思ったよりもお客さんは来てくれましたし、「ひやむぎってこんなに美味しいんですね!」と驚く人もいました。「ひやむぎ専門店なんて珍しい」と興味を持ってくれる人もいて、想像以上に手応えがありました。
この段階で、「ひやむぎ専門店はアリかもしれない」と思えたので、ちゃんとした店舗を構える決心がつきました。
もし、最初から大きな投資をしていたら、不安のままスタートすることになっていたし、もしうまくいかなかったときのダメージも大きかったと思います。
ニッチなことをやるなら「まず試してみる」
ニッチな業態でやっていくなら、小さく試すことが超大事。
いきなり大勝負をかけるのではなく、「ミニマムな形でまず試す」。
たとえば、SNSで「こんなお店を考えているんですが、興味ありますか?」とアンケートを取るのもアリですし、間借り営業や期間限定ショップで実験するのもいい方法です。
実際に試してみれば、「どんなお客さんが来るのか」「どんなメニューがウケるのか」「どんな言葉で伝えると響くのか」がリアルに分かります。
このステップを踏めば、「この方向で突き詰める価値がある」と確信を持てますし、もしダメだったとしても、早めに方向修正ができます。
ひやむぎに限らず、何かニッチなことをやりたいなら、まずは試してみるのが一番です。
市場があるかどうか、どんな人が興味を持つのか、自分自身が楽しめるのか。そういうことを小さく検証しながら進めていくのが、成功の近道なんじゃないかと思います。