お店の話

ニッチなお店は「何をやらないか」が大事

もともと自分は蕎麦職人で、以前はうどん居酒屋を経営していました。
蕎麦もうどんも、それなりに手応えがあるし、ちゃんと作れますし、やろうと思えばどちらも提供できますが、あえてやっていません。

この店では「ひやむぎ」だけを出しています。
ニッチなお店ほど「何をやらないか」を決めることが大事だと思っているからです。

「これしかない」が人の心を動かす

「何でもあるお店」の方が集客しやすいと思われがちですが、実際に印象に残るのは、「これしかない」お店だったりします。

カレーだけの店、餃子一本勝負の店、プリンしか出さないカフェ。そういう場所に人は興味を持つと思います。

ひやむぎもそうです。「え、ひやむぎ専門?」という引っかかりが、記憶に残り、「それだけを出している店なんだ」となると、期待値が自然と高まります。

工数を減らしてクオリティを守る

もうひとつ大きいのは、工数の問題です。
うどん、蕎麦、ひやむぎ、どれも似ているようで、それぞれに全く違う工程があります。

同時に複数をやると、当然仕込みの手間や管理コストが増え、一番大事な「ひやむぎ」のクオリティに集中できなくなる危険があります。

正直に言えば、「やらない」選択は簡単ではありません。でも、ブレずにやらないことで、「この店はひやむぎを本気でやってるんだな」と伝わると思います。

少し遠回りかもしれませんが、そうやって信頼やブランドが積み重なっていくことが、一番の近道です。

やらないことの勇気

もし今、何かをやろうか迷っている方がいたら、
「やる」ことと同じくらい、「やらない」選択にも価値があるということを伝えたいです。

特に、ニッチな領域で勝負するならなおさら。
やらないからこそ、見えてくるものがあります。
そして、それが結果的に一番の強みになることもあるのです。

【特撰ひやむぎ きわだち】
東京都墨田区太平1−22−1 ソラナ錦糸町102
(錦糸町駅北口より徒歩8分、東京スカイツリーより徒歩14分)
12:00~15:00 18:30~21:00 (L.O.30分前 / 木・金はランチのみ)
火・水曜日定休
※席がハイカウンター6席のみのため、大人数や小さなお子様はご案内できないことがございます。
※ご予約はネット予約のみで、記載されている指定の時間及びコースのみのご予約となります。

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