気持ちの良い春の日差しの中、ふと思い立って浅草橋へ。
静かな路地に佇む「手打ちそば さかき」に足を運ぶ。

外観は、時を経た味わいのある佇まい。木の温もりを感じる扉の前には、控えめにかかる青い暖簾。そば屋らしい落ち着いた雰囲気が漂い、自然と期待が高まる。
顔見知りの女将さんに案内されて一番奥のカウンターへ。


「新しいお酒になったんですよ」とのことだったので島根「玉櫻」生酛 純米酒をぬる燗をいただく。




ひと口含めば、ふわりと広がる米の甘み。熟成の効いた琥珀色はまさにウイスキーのよう。


酒のあてを悩んでいると、夜のメニューもいくつできるとのことだったので「ホタルイカの旨煮」を注文。

ぷりっとした身に、醤油の深いコクがしっかり染み込んでいる。
噛めばじんわりと広がる旨みと、日本酒との相性が抜群。
しみじみと「春が来たなぁ」と感じる瞬間。


なんと大将から「わさび漬け」のサービスも。数の子とわさび、酒粕のコンビは間違いないでしょう。


すっかり日本酒も空になったので、二杯目は鳥取「がんばるなかれ!」蕎麦焼酎を蕎麦湯割りで。


少しとろみのある蕎麦湯と鼻に抜ける蕎麦焼酎の香りに身も心も温まります。


閉店の時間も近づいてきたので、いよいよ蕎麦を注文。
ここはシンプルに「十割せいろ」にします。




チラホラと星の見える栃木県 益子の蕎麦。
ジワーっと香る蕎麦の風味はまさに至極の一皿。


鰹節の効いた旨みのあるつゆともバッチリです。
何も言わずとも、ただただ美味しい。


すっかり満足したところで、忘れてならない蕎麦湯の登場。


濃すぎもなく、薄すぎもなくという適度な濃さの蕎麦湯はこちらも間違いない美味しさ。
この一杯で、食事の余韻を存分に楽しむ。


ついつい2杯目も。
いやー、相変わらずの美味しさで大満足。
ご馳走様でした。
静かに流れる時間、美味しい料理と酒、心地よい蕎麦の余韻。
近所に紹介できるお店があるのは本当に嬉しいことです。
また、寄らせていただきます。