ひやむぎの話

東京で唯一の乾麺職人と、ひやむぎを作っています。

当店では2種類のひやむぎを販売しています。一つはお店で作っていてる自家製の生麺のひやむぎ。そして、もう一つは乾麺メーカーさんに依頼して作ってもらっている乾麺のひやむぎ。どちらも同じ銘柄の小麦粉を使って粉の配合も一緒です。

乾麺というと、どうしても「便利さ」や「保存性」に注目されがちですが、実はとても奥深く、職人の技術と感覚が問われる世界でもあります。
今回はそんな乾麺メーカーさんのお話をしたいと思います。

江戸玉川屋との出会い

もともとは生麺のみを取り扱っていましたが、生麺は賞味期限が短く冷蔵保存になってしまうため、手軽にお土産にするにはハードルが高いと感じていました。

そんな中、色々と調べていくうちに、東京・北区にある「江戸玉川屋」さんと出会いました。昭和10年創業、東京23区内で唯一の乾麺メーカー。今も昔ながらの製法を守り、家族で運営されています。

実際に工場見学をしたのですが、江戸玉川屋さんの麺づくりは、とにかく丁寧です。

一般的には冷水でこねるところを、92度の熱湯で練り上げる「湯捏(ゆごね)製法」を採用。これによって、独特のもっちりとした食感が生まれます。

また、乾燥には通常の5倍以上の時間をかけて、24時間じっくり熟成。手間と時間を惜しまず、最高の仕上がりを目指すその姿勢に、深く感銘を受けました。

共同開発したオリジナルのひやむぎ

乾麺職人である工場長と何度かの試作を繰り返し、江戸玉川屋さんのもとで、ようやくオリジナルのひやむぎを開発することができました。

目指したのは、「毎日食べたくなる、でも特別感のある乾麺」。

国産小麦を使い、冷やしてもしっかりとしたコシが残り、のど越しもなめらか。茹でたあとも伸びにくく、最後まで心地よい食感をキープしてくれます。

全粒粉を加えることで噛むほどにほんのりと広がる小麦の香りや甘みは、生麺と比べても遜色のない仕上がりになっていると思います。

保存がきく、贈れる、楽しめる

乾麺なので、保存性も高く、常備食としても安心。ご自宅用はもちろん、ちょっとした贈りものやお中元にもぴったりです。

都心の真ん中で、今も昔と変わらぬ手法を貫く玉川屋さんと、現代の生活に寄り添う食を提案したい私たち。

まったく違う視点を持つ者同士が出会い、何度も試作を重ねて辿りついたひやむぎです。

「乾麺って、便利なだけじゃないんだな」
「ひやむぎって、もっと深い味がするんだな」

そんなふうに感じてもらえたら、私たちとしてはこれ以上の喜びはありません。

店頭でもオンラインでも購入は可能ですので、ぜひ一度試してみてください。

【特撰ひやむぎ きわだち】
東京都墨田区太平1−22−1 ソラナ錦糸町102
(錦糸町駅北口より徒歩8分、東京スカイツリーより徒歩14分)
12:00~15:00 18:30~21:00 (L.O.30分前 / 木・金はランチのみ)
火・水曜日定休
※席がハイカウンター6席のみのため、大人数や小さなお子様はご案内できないことがございます。
※ご予約はネット予約のみで、記載されている指定の時間及びコースのみのご予約となります。

お店の予約オンラインで購入